食生活の欧米化が進んだとはいえ、欧米人に比べて日本人の体型は、小さく、細い印象があります。
何が体格の違いになってきたのでしょうか。体格の違いの原因は諸説ありますが、古来からの食生活の差が影響しているとの説もあります。
古来、狩猟民族を先祖に持つ欧米人が好んで食べていたものは、たんぱく質や脂肪が多く含まれる動物性の食品です。
一方、日本では気候的に稲などの穀類がよく生育し、米を主食としてきました。また、仏教の伝来にともない肉食が禁止された影響もあって、繊維質の多い食品が主となってきました。
このような、食文化の違いが体型に大きく影響している可能性が指摘されています。 食文化の違いは、胃腸の機能にも影響していると考えられています。
欧米人の胃は、動物性食品の消化・吸収のために、胃酸分泌が比較的旺盛で、頑丈であるといわれています。また、腸が短いのは、たんぱく質を分解する際に作られる有害物質を早く体外に排出するためであるといわれています。
一方、日本人は、消化に良いものを主食としてきましたので、比較的繊細な胃といえます。また、腸が長く、繊維質の多い食物を吸収するために時間をかける構造となっているようです。
欧米人と日本人とで胃の構造が異なっているように、胃を守るためには、服用に適した胃薬にも違いがあります。
胃薬には「胃酸の分泌を抑える薬」の他に「胃の働きを整える薬」があり、さらに両方に効く成分を配合した総合胃腸薬があります。ちなみに、総合胃腸薬が市販されている国は少ないのが現状です。
胃酸分泌が過多な傾向にあるためか、欧米では、「胃酸の分泌を抑える薬(制酸剤、H2ブロッカー等)」が多く販売されています。その他に「胃の働きを高める薬」もあり、症状に照らし合わせて胃薬が選ばれています。
胃の機能は、体調、食生活、ストレスなどの影響を受けやすく、「胃酸分泌過多による胃痛・胸焼け」、「胃の働きの低下に起因する胃もたれ」などの症状があらわれます。皆さんは、ご自身の症状に合った胃薬を選ばれていますか?具体的な症状、発症時期なども合わせて、薬剤師にご相談されてはいかがでしょうか。