胃を不快にさせる原因
胃酸によるトラブル
胃酸は、たいへん強力な酸(pH1~2)で胃内を一定以上の酸性に保ち、食物の消化と食物と一緒に体内に取り込まれた各種菌の殺菌を行っています。分厚い肉片でさえ溶かしてしまうほどの酸ですが、同じタンパク質でできている胃そのものを消化することはありません。
それは、胃酸から胃そのものを守るために胃の内側の粘膜から「粘液」が分泌され、粘膜を粘液の薄いベールで覆っているからです。
しかし、何らかの原因で胃酸の分泌が活発になる、あるいは胃酸同様に胃粘膜を攻撃する因子が増えると、胃粘液で防御しきれなくなり、粘液の層が壊れたところから胃酸などにより胃粘膜が傷つけられてしまい、場合によっては胃炎や胃潰瘍になることもあります。
攻撃に関係する要因
胃粘液のしくみ
胃液は、主に3つの成分からなります。
(1)胃酸(塩酸):細菌やウイルスの殺菌作用
(2)ペプシノーゲン:胃酸によってタンパク質消化酵素であるペプシンに変化する。
(3)胃粘液:胃粘膜を保護する。
胃液の分泌は次の3つの系統でコントロールされています。
(1)脳相:見た目・におい・味の刺激により胃液の分泌をコントロール
(2)胃相:胃に食物が入ってきた反射刺激で胃液が分泌される
(3)腸相:胃から十二指腸に食物が送られると、胃液の分泌をストップ