胃の働きに影響を与える要因
アルコール
「食前酒」という言葉を見てもわかるように、食事の前に飲む少量のお酒は胃酸の分泌を促し、食欲を誘う働きがあります。
しかし、大量のお酒を飲むと胃が強く刺激されて、胃酸と胃粘液のバランスが崩れ、胃粘膜が荒れる原因となります。同時に、大量のお酒は胃の運動機能も低下させてしまうので、健康な胃を保つ3つの要素の全てに影響を与えることになります。
特に胃がからっぽの空腹状態ではアルコールが直接胃粘膜に触れ、刺激を強く与えることになるので、胃粘膜は大きなダメージを受けてしまいます。
熱いお茶を飲んでも胃では熱を感じない。でもお酒を飲むと胃のあたりが熱く感じるのはなぜ?
胃粘膜にも少ないながら知覚神経があります。健康な胃は、胃粘液が胃粘膜を守っていて、熱さなどを感じることはありません。しかし、健康な状態でもお酒を飲むと胃のあたりが熱く感じることがあります。
アルコールは、大変分子が小さく胃粘液のバリアの層を通過して胃粘膜に刺激を与えるからです。
胃粘液層をテニスラケットに例えると、アルコールはパチンコ玉。ガットの隙間をすり抜けて胃粘膜を刺激してしまいます。