骨のしくみ
骨格は体を支える支柱
人間の体には、頭のてっぺんから手足の先まで一般的に、約206個の骨があり、それらの骨を組み合わせて形成されたのが骨格です。この骨格は、体を支え、外の衝撃から脳や内臓を守る働きをしています。現在の骨格の形態は、長い年月をかけて2足歩行に適した形に進化したものです。
体を動かす関節と筋肉
骨には筋肉や腱が付着し、骨と骨は関節でつながっています。体を動かしたい時は、大脳からの指令で筋肉が収縮し、骨を引き寄せて関節が曲がるため、手や足を動かすことができるのです。
(1)頭蓋
1個の骨のように見えますが、実は15種類23個の骨が組み合わされてできています。これは、外部から衝撃を受けた時にショックを分散させて脳を守るためです。
(2)胸郭
12対の肋骨が関節で連結し、胸骨と軟骨でつながっています。胸郭で囲まれた空間には、心臓、肺などの重要な臓器がおさめられています。4つ足の動物は胸部が下向きで隠れているため、胸郭は大きくないが、人間は2足歩行によって胸部を前面にさらすようになったため、胸郭が発達しました。
(3)関節
関節の先端は関節軟骨でおおわれ、動きを滑らかにする滑液という粘液が滑膜から分泌されています。
(4)骨盤
骨盤は、仙骨・尾骨・左右の寛骨(腸骨・恥骨・座骨)からなるタライのような骨組みで、腸や泌尿器・生殖器などを守っています。また、妊娠した女性の子宮を支えるという大切な役割もあるのです。骨盤は地面に対して約30度傾いて(5)大腿骨の上にのっており、その上に背骨。このバランスが少しでも崩れると腰に負担がかかって腰痛がおきます。
(6)脊椎
椎骨と椎間板が交互に連なり、頭や体、腰を支えています。
軟骨とは
軟骨とは、骨と骨をつなぐクッションの働きや、関節を潤滑に動かす働きを担っています。
クッションの役目
肋骨と胸骨をつないでいる軟骨で、呼吸のさい、肋骨がふくらんだり縮んだりするのを助けています。
軟骨
ほとんどの骨の端は、軟骨になっています。これは関節の動きをスムーズに保ったり、クッションの役割のためです。
背骨のしくみ
背骨は、7個の頚椎と12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙骨、3~てS字型に5個の尾骨から成っており、1つ1つの骨を椎骨といいます。椎骨と椎骨の間には椎間板という軟骨があり、クッションの役目を果たしています。
背骨がこのように細かく分かれているため、上体を前後左右に曲げたり、ひねったりすることができるのです。それだけではなく、歩行する際などに、脳や内臓への衝撃を吸収するバネの役目も果たしています。背骨は成長するにつれてS字型に弯曲してきますが、この弯曲圧迫されて痛みが生によって、背骨への衝撃が緩和されています。
さらに、背骨は神経の中枢である脊髄を保護する役目もあるので、背骨に障害が起きると神経が圧迫されて痛みが生じることがあります。