末梢神経のしくみ
体の末端と脳とを結ぶ通信網
脳や脊髄から体の隅々にまで張りめぐらされた末梢神経は、体性神経と自律神経に大別されます。体性神経とは体の動きにかかわる神経で、感覚神経と運動神経があります。
目や耳や皮膚などを使って、見たり、聞いたり、触れたりして集めた情報は、感覚神経を通って、脳へ伝えられます。それらの情報は整理され、今度は脳から指令が出されて、運動神経を通って手や足など体の必要な部位に伝達されるのです。
一方、自律神経とは意思に関係なく独立して働き、内臓や血管の活動、呼吸などをコントロールしており、交感神経と副交感神経の2種類があります。この2つの神経は、主に1つの器官に対して相反して働きます。それによって、うまくバランスをとって各器官を調節しているのです。
末梢神経はこうしてダメージを受ける
疲れて硬直した筋肉が末梢神経を圧迫
車の運転やデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けたり、洗濯物を干す、寝転んで本を読む、など無理な姿勢をとったりすると、腰や肩の筋肉に負担がかかり、筋肉が硬くこわばってきて血管を圧迫し、血行が悪くなります。血行が悪くなると、血液の流れにのせて疲労物質を取り除くことができなくなり、ますます筋肉が硬直するという悪循環に。さらに、血行が悪くなると神経への酸素や栄養供給が上手くいかなくなり、神経の働きが低下し症状を引き起こすことがあります。
末梢神経がダメージを受けるとどうなるの?
痛みやコリが慢性化し、手足のしびれ感が起こってくる
末梢神経が障害をうけてダメージを受けると、そのダメージを受けた個所から情報が電気信号として感覚神経を伝わって大脳皮質へ届けられます。すると、その信号が大脳皮質に広がって瞬時に整理され、ジーンとしたり、ピリッとする痛み・コリ・しびれの感覚が生じるのです。
さらに、大脳皮質から運動神経へと指令が届けられ、腰や肩を動かすと痛んだり、お風呂に入っても肩こりや腰痛がやわらがなかったり、いくらもんでもコリがとれなかったりといったつらい症状となってあらわれます。
また、痛みやコリが繰り返し起こる、いつも同じ場所が痛む、など肩こりや腰痛が慢性化してしまいます。