かの家康も服用していた!?
胃の森林浴 セルベール
セルベール(第2類医薬品)に配合されている二つの生薬「ソウジュツ」と「コウボク」。この二つを選ぶにあたって参考にした古い本があります。「太平恵民和剤局方」という中国・宋代(西暦1100年頃)に作られた漢方の処方集。その処方はマイナーチェンジを加えながらも現在も使われている、漢方の教科書です。
「ソウジュツ」と「コウボク」が使われていた処方は、ずばり「平胃散」といいます。「平胃散」は今でも使われている処方で、蒼朮(ソウジュツ)・厚朴(コウボク)・陳皮(チンピ)・生姜(ショウキョウ)・大棗(タイソウ)・甘草(カンゾウ)と6種類の生薬を合わせます。胃の働きをよくして、水分の停滞を改善することから、食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃もたれ、胃が重苦しい、ゲップが出る、食欲不振、また下痢などの症状を訴える人に用います。
その中から、胃酸などの分泌抑制作用および健胃作用がある「ソウジュツ」、消化管粘膜を刺激して胃運動を促進する「コウボク」が選ばれました。この2つの生薬は、胃酸分泌を促すことなく胃の働きを高めること、そして何より、胃酸を無理矢理止めるような生理作用に反するはたらきがなく胃にやさしいことが決め手となりました。なぜなら主成分のテプレノンも胃にやさしい成分だからです。また、両方とも人参などと同じで滋養強壮薬に使われる成分、漢方的にいうと「気をととのえる」作用もある成分ですから、胃そのものの元気を整えることも期待されています。
新しい胃ぐすり、セルベールは、古い教えに基づいたお薬なのです。
ちなみに、「和剤局方」は、健康オタクであった徳川家康も座右の書としていました。天麩羅の食べ過ぎで死んだと伝えられる家康ですが、実際は「胃がん」だったのではないかと言われています。グルメでもあったと伝えられる家康のことですから、「平胃散」も日常的に服薬していたかもしれませんね。