第4回 体の中の電気の乱れがしびれになる
神経細胞には電気が流れている!
電気は現代の生活になくてはならないもの。最近では明かりから給湯、空調、調理機器まですべて電気でまかなう、住宅の「オール電化」も人気が高いようです。ところで、人間の体にも電気が関係している、というと意外でしょうか。
私たちの体の中には、微弱な電気が流れていることが知られています。これは「パルス」と呼ばれるもので、体の代謝や神経細胞での伝達といった働きをもつ、とても大切な電気です。
では、神経細胞において電気がどのように流れているかを見てみましょう。ここで大切なのは神経細胞はもともと電気を帯びているということ。つまり、体のどこかに発電所のようなものがあって、そこから電気が流れてくるのではなく、いつも神経には電気のプラスとマイナスがバランスをとって存在しているということです。
この状態の神経細胞に何らかの刺激が加わった時、電気のバランスに変化が生まれます。例えば神経細胞が「痛み」の刺激を受け取ると、それによってこのプラス・マイナスのバランスが変化します。するとその変化はバトンリレーのように次々と伝わっていき、様々な過程を経て最後に脳に伝えられた結果、「痛い」という感覚を感じ取ることができるのです。
電気の乱れがしびれになる
神経細胞は、刺激を電気信号に変えて伝えています。ですから、もしそこに大きな電流や異常な電流が流れたらどうなるのでしょう?これは電気が起きたときのビリッとした感じを想像すればわかりますね。
そうです、この電気の乱れはしびれや痛みとなって現れるのです。ですから、もし1本の末梢神経がダメージをうけて電気が他の末梢神経に「漏電」してしまったとしたら、そこに異常な電流が流れ、ジーン、ビリビリというしびれが起こってしまうのです。
参考:
脳の世界:京都大学霊長類研究所 神経細胞は電気を使って情報伝達する