ここからグローバルナビゲーション
  1. TOP
  2. 病気や症状の情報
  3. 骨ケアサミット
  4. 骨ケアサミット開催情報
  5. 骨ケアサミット みなとみらい
  6. 記事1
ここからメインコンテンツ
  • 骨ケアサミットTOP
  • 骨ケアサミットとは
  • 骨ケアサミット開催情報
  • 新着情報一覧

骨ケアサミット in みなとみらい テーマ:「ロコモと骨粗鬆症~寝たきりゼロを目指して~」

運動器の障害により寝たきりになるリスクの高いことをロコモティブシンドローム(以下ロコモ)といいます。その大きな原因の1つが骨粗鬆症(こつそしょうしょう)です。骨粗鬆症を予防するために心がけておくことや、なってしまったときの治療について、骨粗鬆症に詳しい先生にお集まりいただき、お話を伺いました。

「骨ケアフェスタ」や「市民講座」で一般市民に啓発活動

紺野先生
高齢化社会に伴い、21世紀の少子高齢化や疾病構造の変化が進む中、生活習慣病が増えてきています。国民の健康増進の総合的な推進を図ることを目的として厚生労働省が提唱している「健康日本21」で問題の1つとなっているのが、今回のサミットのテーマであるロコモです。これは日本整形外科学会が2007年に提唱した新しい概念で、運動機能の障害のために要介護になるリスクの高い状態のことをいいます。まだ一般の方々のロコモに対する認知度は17.3%(平成24年度)と、かなり低いのが現状ですが、実は4,700万人もいるといわれています。ロコモの中には、高齢者の寝たきりの要因となる骨粗鬆症があり、その予防がとても重要です。当院でもロコモの患者さんがじわじわと増えてきまして、その中でも特に骨粗鬆症が増えてきていることを実感しています。ロコモが、広く一般市民の皆様にも認知されるように、横浜市西区では、すでに市民公開講座を開催し、疾病啓発活動をされたと聞いております。鎌田先生、2010年に実施した『骨ケアフェスタ』の様子をお聞かせください。
鎌田先生
私が所属しているけいゆう病院では、公開講座などを行って一般市民の方に疾患に対する理解を深めていただいています。骨粗鬆症については2010年8月に、『骨ケアフェスタin西区』を開催しました。多くの市民にお集まりいただき、骨粗鬆症の一般的な知識をご理解いただけるような基礎的な講演を行い、そのあと同会場で参加者の方々に実際に骨密度を測定していただくというイベントを開催いたしました。骨密度測定は、右足のかかとに超音波を流して測定する超音波法を用いましたが、その結果、骨粗鬆症と診断された方もおられました。また、普段、骨粗鬆症で通院している方から、治療法や今のご自身の状態について細かな質問を受け、私からアドバイスをするという場面もありました。参加者の方々からは「骨粗鬆症について理解が深まった」と非常に喜んでいただいたと感じています。
紺野先生
当医院でも、以前、ロコモの啓発活動といたしまして、戸塚区と泉区で日塔先生と一緒に骨ケアフェスタを行いました。日塔先生、そのときの反応はいかがでしたか。
日塔先生
2011年11月に戸塚区の一般市民の方を対象に骨粗鬆症についての市民公開講座を開催しました。当日は約500名の参加があり、参加者の多さに大変驚くと同時に、骨粗鬆症に対しての興味の高さを感じました。また、超音波法による骨密度測定を実施したところ多くの人が要望され、100名の方に体験いただきました。
紺野先生
市民の皆様がロコモを知るためにも、このような市民講座に参加することはとても大切です。患者さん一人ひとりが骨粗鬆症の予防を行えるよう、ロコモ活動普及のお手伝いをすることが、私たちの使命の1つであると考えています。

大腿骨近位部骨折と骨粗鬆症の関係

紺野先生
続いて、骨粗鬆症の治療の現状についての話に移ります。我が国では欧米先進国に比べて、寝たきりの原因ともなる太もものつけ根の骨折、いわゆる大腿骨近位部骨折が非常に増加してきていることが問題になっています。

図1 増え続ける大腿骨近位部骨折患者数

拡大して見る

齋藤先生高齢者が要介護にいたる要因の中に、脳血管疾患、認知症、関節疾患、骨折・転倒がありますが、そのうちの、関節疾患、骨折・転倒の中でも大腿骨近位部骨折が非常に多くなっています。これは、股関節(脚のつけ根部分)の中で、大腿骨の骨頭を支える頸の部分から下方にかけた骨折です。多くの場合、転倒が原因ですが、骨粗鬆症の進行した高齢者の場合、特別な外的誘因がなくても徐々に骨折することもあります。大腿骨近位部骨折は、骨折した時点で歩行不能になりますので、可能な限り外科的な処置、いわゆる手術が必要になりますが、安静期間中に運動機能が落ちることなどが引き金となり、ロコモによる要介護の原因になります。諸外国では大腿骨近位部骨折の発生率は減少しています。その背景には、北欧では骨粗鬆症の検査をしている人の骨折は保険適応となり、それ以外の人は保険がきかないという制度があり、そのため、かなりの率で国民が検査を受けています。また、アメリカやカナダでは、日本で現在使われているビスフォスフォネート製剤が、約10年前から使用されたということがあります。つまり、日本よりも10年ほど薬物治療が進んでいるということになります。現在の日本の大腿骨近位部骨折の患者数は、2008年では、約65,000人で、現在も増え続けています(図1)。この一番の原因となっているのが骨粗鬆症であろうといわれています。骨粗鬆症の患者さんは、現在、1,280万人いると考えられていますが、実際に治療を受けている人は2割程度。ほとんどの人が治療を受けていないことになります。治療を受けない背景には、多くの人が骨の検査を受けていないことがあります。骨粗鬆症は圧倒的に女性に多いのですが、骨粗鬆症というと、“おばあちゃん”というイメージを持つ方が多いようで、「骨の検査をしましょうか?」というと「私はまだ結構です」と拒絶する方が多くいます。こうしたことから、積極的に骨の検査を受けていただくのはなかなか難しい面もありますが、これから徐々に骨粗鬆症とロコモとの関係性が理解され、考え方が浸透するようになれば、骨の検査を受ける人が増え、大腿骨近位部骨折も減っていくのではないかと期待しています。

  • 記事1
  • 記事2
  • 記事3
  • 参加医師紹介