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骨ケアサミット in 仙台 テーマ:「骨粗鬆症と腰痛~高齢者を悩ます腰痛~」

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の高齢者は、転んだり、重いものを持ったりしただけで背骨が骨折(圧迫骨折)することがあります。しかも、骨折後は寝たきりやその後の余命を短くすることもあるため、超高齢化社会を迎えた日本では大きな社会問題となっています。また、なかなか治らない背骨の骨折は腰痛をきたすことも多く、その骨折を防ぐためには主な原因となる骨粗鬆症を未然に予防し、早期に治療することが肝心です。
今回は、骨粗鬆症の診療に携わっている仙台地区の先生方にお集まりいただき、特に骨粗鬆症の患者さんにおける骨折とそれに伴う腰痛の予防と治療についてお話をうかがいました。

骨粗鬆症であれば
重いものを持っただけで背骨を骨折することも

図1 7つのロコチェック

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佐藤先生本日は、仙台市内の整形外科医の先生方にお集まりいただき、昨今、非常に話題となっております骨粗鬆症とそれに伴う背骨の骨折について、ご意見をうかがいたいと思います。
さて、高齢者は体の運動に関わる骨、関節、筋肉、神経などの運動器の働きが衰えると、暮らしの中の自立度が低下し、寝たきりや要介護状態になってしまう可能性が高いといわれています。超高齢化社会を迎える日本では今後、ますます高齢者の数は増えていきますから、何か有効な手立てを考えていかなければなりません。最近、このように運動器の働きが衰え、要介護になる危険性が高い状態に対し、「ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)、(略称、ロコモ)」という言葉が使われるようになりました。ロコモに該当するかどうかは、「ロコチェック」(図1)で確認することができます。7つのチェック項目のうち1つでも当てはまる場合は、ロコモである心配がありますから、思いあたるものがある方は是非、整形外科医に相談してほしいと思います。
 介護が必要となる原因は色々とありますが、腰・膝の変形や骨折・転倒など、骨や関節の障害によるものが約20%を占めています。高齢者に多い骨折としては、背骨の骨折、太もものつけ根の骨折、手首の骨折などがありますが、これらのほとんどは、骨の組織がスカスカになってもろくなる骨粗鬆症によって起こります。日本では、骨粗鬆症である人は40歳以上で1280万人存在するといわれており、特に太もものつけ根を骨折してしまうと、もとの日常生活に戻ることが難しくなることはよく知られているところです。
 一方、骨粗鬆症では、背骨の骨折が起こることもよく知られています。背骨を骨折すると、背中や腰が曲がって姿勢が前かがみになり、肺や胃腸が圧迫されて呼吸や消化に問題が生じたり、バランス感覚が阻害され、転倒や膝の痛みを引き起こすことがあります。しかし、実際に背骨の骨折によって身長が短くなってきた、背中や腰が曲がってきた、背中を下にして眠りにくいなどの症状がみられても、本当のところどのような具合に病気が進んでいるのかについてはよくわかっていないといえます。
 そこで本日は、骨粗鬆症による背骨の骨折の真の姿を探るという意味で、特に急性期の状態はどのようになっているのか、話し合っていきたいと思います。
それでははじめに、東日本大震災に関連した骨粗鬆症に伴う背骨の骨折について、金渕先生がデータをおまとめになっていますので、ここでご紹介いただきます。

図2 東日本大震災前後における骨粗鬆症性患者の背骨の骨折の発生数(金渕整形外科2012)

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表 東日本大震災前後における背骨の骨折の原因(金渕整形外科2012)

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金渕先生まず、2011年に起きた東日本大震災前後における背骨の骨折数をまとめました(図2)。2010年、骨粗鬆症に伴う背骨の骨折数は1年間で40人でしたが、震災直後の3カ月間で48人とかなり多くなっています。さらに震災後期も含めると骨粗鬆症に伴う背骨の骨折数は1年間に94人でしたので、震災後には例年の倍近くの背骨の骨折が生じていることがわかります。年齢の分布としては、通常ですと76~86歳にピークがみられましたが、震災後1年間では65~75歳と若干、若くなっています。
 背骨の骨折の原因としては、震災前は転倒が一番多かったのですが、震災後は地震の後片付けや水を汲んだり灯油を運んだりというように、重量物の運搬によるものが多くなっていました(表)。この結果をみると、背骨の骨折というのは、日常生活の中で体に連続した負荷がかかるだけでも起こることがわかります。

佐藤先生背骨を骨折していた患者さんは、腰痛を訴えられて受診されたのですか。それとも、たまたま診察をしたら骨折していたのですか。

金渕先生例年に比べて、震災後は腰痛を訴える患者さんが多いという印象はありましたが、腰痛がなかなか治らない患者さんにMRI検査を行ったところ背骨が骨折していたということです。

佐藤先生
背骨の骨折はありふれた腰痛として見逃されていることも多く、医療機関にかからない方も多いと思います。また、背骨の骨折では、症状があまりはっきりせず、よく話を聴いてみると寝起きや寝返りの時に痛みが強く、睡眠不足になっていると訴える患者さんも多いようです。
金渕先生
背骨の骨折の場合は、痛みが長引いて、日常生活に支障をきたすことが多いのですが、動けないほどではありません。
谷先生
そうですね。仰向けに寝ている時はそれ程痛みが強いということはありませんが、立ったり座ったりする時に痛みが強くなるので、介護してくれる人がいない場合には、不自由を感じることが多いと思います。
兵藤先生
このような急に起きた腰痛の場合、若い方ではぎっくり腰であることが多いのですが、高齢者では単なる腰痛でも、骨粗鬆症に伴う背骨の骨折を疑うことが重要です。
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