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骨ケアサミット in 函館 テーマ:「ロコモティブシンドロームと骨粗鬆症」

 健康増進法に基づいて厚生労働省が2013年に策定した「21世紀における第2次国民健康づくり運動」、略して「第2次健康日本21」では、ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)の認知度向上が目標のひとつに掲げられています。そこで、ロコモに大きく関わる整形外科医として、函館で長年に渡って患者さんと接していらっしゃる5人の先生にお集まりいただき、ロコモと、それに続く骨粗鬆症(こつそしょうしょう)についてお話を伺いました。

「ロコモ」は病名ではなく、寝たきりになる可能性が高い状態のこと

宮本先生厚生労働省は、21世紀の我が国において少子高齢化が進むなか、生活習慣の改善を通じて、子どもから高齢者まで健やかで心豊かに生活できる社会を目指しています。その一環として、ロコモの認知度を現在の17.3%から80%まで上げようとしています。同じような言葉に「メタボリックシンドローム」がありますが、これはもうおよそ9割もの認知度があります。整形外科としてもロコモをもっとPRしたいということで、推し進めているのです。
 では、大脇先生、まず運動器のしくみとロコモについて教えていただけますか。

大脇先生運動器とは、身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称です。運動器はそれぞれが連携して働いており、どのひとつが悪くても身体はうまく動きません。また、複数の運動器が同時に障害を受けることもあります。運動器を全体としてとらえる、それがロコモの考え方の基本です。

宮本先生
ありがとうございます。それでは、函館市で唯一、ロコモアドバイスドクター(ロコモの正しい知識と予防意識の啓発のための活動を行なっている日本整形外科学会所属の専門医)に認定されている戸嶋先生に、ロコモについてご説明いただきましょう。
戸嶋先生
ロコモは、日本語でいえば運動器症候群です。足腰が悪くなって介護が必要になるリスクが高い状態のことを指します。骨、関節、筋肉など運動器の働きが衰えると、暮らしの中の自立度が低下し、介護が必要になったり、寝たきりになったりする可能性が高くなります。ロコモは病名ではなく、いってみればキャンペーンネーム。社会に運動器の大切さを知らしめるための、ひとつの概念です。この「病名ではない」ということが大切です。
宮本先生
ありがとうございます。深瀬先生、いかがですか。

図1 介護が必要となったおもな原因

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深瀬先生我が国のロコモの患者数は推計4,700万人。介護が必要となった主な原因のうち、転倒による骨折や関節疾患などロコモが関係する原因疾患は、脳卒中や認知症、高齢による衰弱に続いて4番目に多くなっています(図1)。

宮本先生介護が必要となる骨折の原因としては、骨粗鬆症が一番の要因だと思いますが、骨粗鬆症の現状について、八木原先生、お話しいただけますか。

八木原先生50代の女性では10人に1人程度、60代では3人に1人、70代では2人に1人が骨粗鬆症であるといわれています。しかしながら、実際に治療を受けていらっしゃる方は2割程度で、約8割の方はまだ治療を受けていないと推測されています。

宮本先生骨粗鬆症になるとどうなるのか、大脇先生、教えていただけますか。

大脇先生背骨が体の重みでつぶれたり、変形する「圧迫骨折」がおこりやすくなり、背中が曲がったり、姿勢が悪くなったり、腰痛が出たりします。骨粗鬆症で骨折しやすい部位は背骨のほか、腕の付け根や手首、そして大腿骨などが挙げられます。その中でも特に大腿骨近位部骨折を起こした場合には、寝たきりになるなどの原因になることが大きな問題とされています。

宮本先生
そうですね。背骨の圧迫骨折は、我々の日常診療の中で多く診る“腰痛”の原因のひとつです。また、大腿骨近位部骨折が、骨折による寝たきりの一番の原因です。諸外国では大腿骨近位部骨折の発生率は減少傾向にありますが、日本ではまだまだ増加しています。やはり、ロコモの認知度の低さや骨粗鬆症の未治療の患者が多いことが原因と考えられます。
 戸嶋先生、いかがでしょう。
戸嶋先生
そのとおりです。年齢だからと言って、放っておいてはいけません。骨粗鬆症は、一度骨折を起こすと、次から次へと骨折が起こって、危険が大きくなるといわれています。ある調査によると、一度、大腿骨近位部を骨折したことのある患者さんは、骨折したことのない患者に比べると大腿骨近位部骨折の発生率が高くなると報告されていますし、また、別の調査では、大腿骨近位部骨折をしたことがある60歳代の女性が、5年間に再度骨折をする危険性は、骨折したことのない女性に比べ、16.9倍も高くなると報告されています。最近、WHO(世界保健機関)が2011年に骨粗鬆症の学会で薬を使う基準として骨折リスク評価ツール「FRAX®」を発表しました。私はくわしいことはわかりませんが、40歳から75歳が対象で、10年間に骨折が起こる確率を出すものです。これがだいたい15%以上だと薬物療法を開始する目安といわれていますが、いろいろな要因がありますので、利用している人はあまり多くないかもしれません。将来、これがどうなるか、興味を持って見ています。
宮本先生
深瀬先生、いかがですか。
深瀬先生
そうですね。大腿骨近位部を骨折された患者さんで、骨粗鬆症の診断がされておらず、もちろん治療薬も投与されていないケースが多いことが報告されています。大腿骨近位部骨折の患者さん2328名において、骨粗鬆症の診断をされていたのは10%程度で、さらに、そのうち治療薬を服用していたのはわずか7.9%ということです。受傷後1年間に骨粗鬆症の治療薬を投与されていた方は18.7%で、しかも1年間服用を継続した方は36.4%と、低い数字だったとのことです。
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