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骨ケアサミット in 松山 テーマ:「ロコモティブシンドロームと骨粗鬆症」

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)は、骨や筋肉、関節などの身体運動をつかさどる運動器が障害を受けることで、要介護や寝たきりになる危険性が高まる状態を指します。日本では高齢化の進行などに伴い、国民の半数近い人々がロコモティブシンドロームと推定されており、その予防や治療の必要性が指摘されています。そこで今回、ロコモティブシンドロームや骨粗鬆症(こつそしょうしょう)に詳しい先生方にお集まりいただき、それぞれの特徴や予防・治療のポイントについてお話をうかがいました。

日本のロコモ人口は推計約4,700万人

相原先生日本では、生活習慣病の増加や寝たきり・要介護者数の増加が深刻な社会問題になっています。このような背景から、厚生労働省は「健康日本21」と題した国民の健康づくり運動に取り組んでおり、2013年2月には、10年後の国民の健康を見すえた第2次計画がスタートしました。「ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)」は、今回の第2次計画から対策が始まった項目で、初めてこの言葉を目にする方も少なくないと思います。しかし、高齢の方に健康で自立した生活を長く送っていただくためには、ロコモという考え方をよく知っていただき、適切な対策をとることがとても重要になります。そこで今回、愛媛県でロコモの方々を多く診療されている先生方に、その特徴や予防・治療のポイントについて伺っていきたいと思います。まず、ロコモに関係のある運動器とはどういうものか教えていただけますか。

西本先生
運動器とは骨や筋肉、関節、神経など、身体運動にかかわる組織や器官の総称です。運動器はそれぞれが連携してはたらいているため,どれか1つが悪くなると身体はうまく動きませんし、複数の運動器が同時に障害を受けることもあります。ロコモについて理解いただくためには、運動器というものを全体的にとらえていただくことが重要です。
相原先生
ロコモティブ(Locomotive)という言葉には機関車という意味もあります。運動器は機関車のように身体のけん引役を果たしていて、人間が立って歩くためには必要不可欠なものといえるでしょう。ロコモとは運動器がどのようになった状態を指しているのですか。
西本先生
ロコモとは、運動器が障害を受けることによって暮らしの中の自立度が低下し、要介護になるか要介護になる危険が高くなった状態です。ロコモの原因になる主な病気は,①腰の部分の背骨にある椎間板や骨が変形して腰痛や足の痛みが出る「変形性腰椎症」②ひざの関節にある軟骨や半月板がすり減って痛みや変形が起こる「変形性膝関節症」③骨がもろくなり骨折しやすくなる「骨粗鬆症」です。このうち1つ以上当てはまる患者数は推計4,700万人に上るといわれています※1。また、ロコモが原因と考えられる関節疾患および骨折・転倒は、脳卒中、認知症に続いて要介護に至る原因の第3位(16.7%)に入っており※2、治療せずに放置していると自立した生活が送れなくなる危険性があります。
松村先生
今後、団塊の世代の高齢化が進むことで爆発的にロコモの人口が増えると予想されています。ロコモは日々の生活習慣を良くすることで予防できますし、ロコモになった場合にもさまざまな治療法があります。ぜひ「メタボ」と同じように「ロコモ」を知り、ご自身の運動器に関心を持っていただきたいと思います。

※1 J Bone Miner Metab 2009; 27(5): 620-628
※2 厚生労働省:平成22年国民生活基礎調査

骨粗鬆症を放置することで骨折の危険性が高まる

相原先生
骨粗鬆症はロコモの中で最もよく知られている病気のひとつですが,最も注意すべき病気でもあります。日本の骨粗鬆症患者数やその特徴について教えていただけますか。
川谷先生
日本では既に1,000万人を超える方が骨粗鬆症を罹患していると推定されており、私どもの病院にも骨粗鬆症で骨折を起こした患者さんが多く来院されます。骨粗鬆症は主に骨密度で診断され、若い方(20~44歳)の平均値の70%未満という基準があります。また、骨密度が低くない方でも、大した外傷がないのに骨が折れてしまう「脆弱(ぜいじゃく)性骨折」が起きた場合は、骨粗鬆症と診断され治療の対象になります。
相原先生
骨粗鬆症になった場合に骨折しやすい部位などはありますか。

図1 骨粗鬆症患者さんの骨折の危険性

a)太ももの付け根の骨折

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b)背骨の骨折

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川谷先生背骨や太ももの付け根,肩の付け根や手首を骨折しやすくなります。このうち特に注意すべきは太ももの付け根の骨折で、直接的に身体が動かせなくなるため介護が必要になる危険性が高まります。さらに、太ももの付け根を骨折すると再骨折を起こす危険性が飛躍的に高くなり(図1a)、患者さんの寿命にも悪い影響を及ぼすことが明らかになっています。

相原先生骨粗鬆症治療の必要性についてはどのようにお考えですか。

川谷先生骨折を起こして私どもの診療所に来られる患者さんのうち、骨粗鬆症の治療を受けてない方は半数以上に達します。また、海外の研究によると、骨粗鬆症を治療せずに放置することで、約14人に1人が背骨を骨折し、さらにその約5人に1人は1年以内に2度目の骨折を起こすといわれています(図1b)。現在は骨折の予防が可能な骨粗鬆症治療薬がありますので、まずはご自身の骨の状態を調べて、骨粗鬆症であった場合は速やかに治療を開始することが大切です。

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