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骨ケアサミット in 知多半島 テーマ:「高齢者の腰痛とロコモ」

 3カ月以上続く痛みである慢性疼痛(とうつう)のうち、多くの方が腰の痛みに悩まされています。腰の痛みを感じる方のうち、7割近くが「電気が走るような痛み」である神経障害性疼痛と推定されています。腰痛治療は痛みの原因に応じた薬物療法が中心になりますが、腰痛の原因が特定できる特異的腰痛は全体の15%程度となっており、さらに腰痛は再発しやすいことも指摘されています。
 一方、骨や関節、筋肉などの運動器の障害によって暮らしの自立度が低下し、介護が必要な状態、また介護が必要になる可能性が高い状態のことを運動器症候群「ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)」と言います。腰痛を予防し、筋肉や骨の機能低下を食い止めるため、ロコモを改善することが重要になってきます。
 そこで今回は、知多半島で多くの高齢者の腰痛を診察されている先生方にお集まりいただき、腰痛治療の現状や腰痛治療のポイントについてうかがいました。

慢性疼痛の9割近くが原因不明

図1 慢性疼痛で“腰の痛み”はナンバー1

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岡本先生本日は知多半島において整形外科領域でご活躍の先生方をお招きし、高齢者で増加している慢性疼痛や腰痛についてお話し頂きたいと思います。慢性疼痛がある方のうち69.8%が腰痛、椎間板障害、坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)を合算した腰の痛みを訴えていることが分かっておりますが(図1)、慢性疼痛の定義について酒井先生にご説明頂きます。

酒井先生一般的には急性期の痛みが起こり、心理的・疾患特異的な要因により、その痛みが3カ月程続く場合を慢性疼痛としています。一生のうちに腰痛を自覚する確率は80%程度とされ、慢性化しやすい疾患の代表です。腰痛が慢性化する原因はよく分かっておりませんが、人間は腰の痛みを感じやすいこと、いったん腰痛が起きると再発しやすいことが一因と考えられます。

石田先生当院では紹介患者が多く、診療所ですでに治療が行われ、経過が長期化しているケースがほとんどです。そのため、疼痛は慢性期に移行している方が多く、腰部椎間板(ついかんばん)ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)など腰痛が愁訴になる疾患の方が多い印象です。詳しく診断して原因を明らかにし、治療方針を立てるように努めています。

竹内先生
慢性疼痛のうち腰痛の方が多いにも関わらず、原因が特定できない方がそのうちの約85%を占めています。早期の段階で医師が関わることが重要と言えるでしょう。高齢化も進んでいるほか、電子機器の発達やデスクワークなどのライフスタイルの変化が30~50歳代の若年性腰痛にも影響していると言えますね。
岡本先生
腰痛の原因にはどのようなことが考えられますか。
酒井先生
まず、原因が特定できる特異的腰痛と特定できない非特異的腰痛に大きく分けられます。特異的腰痛として腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が代表に挙げられますが、竹内先生がご指摘の通り、原因が特定できるケースは全体の15%でしかありません。他には分離性脊椎(せきつい)すべり症、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などの代謝性疾患により、不安定性が起因となって腰痛を引き起こすこともあります。ただし、腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの神経が狭窄されることによる神経障害性の腰痛という意味では、メカニズムは明らかとなっていません。
石田先生
まれに椎間板炎などの感染症や、転移性脊椎腫瘍による腰痛の症例もあり、注意が必要です。手術症例で圧倒的に多いのは腰部脊柱管狭窄症で、腰部椎間板ヘルニアの手術症例は減少傾向にあります。

腰痛と下肢痛を伴う坐骨神経痛失禁や間欠性跛行にも

岡本先生
腰痛に加え、お尻から足の後ろにかけて現れる痛みやしびれ、麻痺などの症状である下肢痛を伴う場合、坐骨神経痛と呼ばれています。腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症も下肢痛の原因と考えられますが、実際の臨床ではいかがでしょうか。

図2 高齢者の坐骨神経痛は腰部脊柱管狭窄症が多い

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石田先生椎間板ヘルニアは椎間板組織の中央にある髄核(ずいかく)という軟骨部分が繊維輪(せんいりん)という周辺の組織を破って、外に出てきて神経を圧迫するという疾患で、30~50歳代の患者さんが比較的多い印象です。脊柱管狭窄症は加齢と共に背骨の変形や椎間板のふくらみ、靱帯(じんたい)の肥厚などで神経が圧迫され、神経の血流が低下して痛みやしびれが起こります。50歳代を超えた中高年に多くみられる疾患です(図2)。脊柱管狭窄症と診断されている患者さんは65万人、診断されていない患者さんは175万人という報告があり、合わせて240万人の患者さんがいることが推定されます。老齢人口が増えるに従って患者の総数がさらに増え、治療対象として受診数も多くなることが推測されます。

竹内先生
腰部脊柱管狭窄症は、腰痛や下肢痛が進行すると、失禁や歩行と休息を繰り返す間欠性跛行(かんけつせいはこう)を呈する場合もあります。また、腰掛けたり前屈みになると、脊柱管が広がるためにしびれや痛みが軽減されます。
酒井先生
腰部脊柱管狭窄症の成因として、加齢によるもののうち、黄色靱帯という靱帯が肥厚してくると、骨の変形はなくても脊柱管が狭まってしまいます。原因はいずれでも圧迫される神経は同じなので、間欠性跛行や坐骨神経痛を引き起こすことが考えられます。
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